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会誌『癒しの環境』vol.9 no.3 (2004年11月20日刊行) |
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特集 第29回研究会「生きよう! 栄養だ」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
〜最新号の巻頭言から〜 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
病気になると、栄養をつけ元気になろうと古来人間は実行してきた。子どものとき、病気になるとおいしいものが出てきた経験をお持ちの方も多いだろう。 新潟の地震で4日間生き埋めだった優太ちゃんもスイカが食べたい、お饅頭が食べたいと、水分と血糖値をあげるものを要求した。私の患者も大動脈の手術をした後、チキンが食べたいと要求した。みんな、体が要求するものがわかっているのだ。クローン病の患者さんも下血覚悟で焼肉を食べるんだ、と患者が情報発信する雑誌『CCJAPAN』で宣言している。おいしいものを食べることが元気につながる。米国ではエイズになっても、がんになっても、体力が落ちないように、まず、体重を20%増やしなさいと太ることを勧める。体力がないと、病気とは闘えないのですよ。 では、何を食べて、元気になるの? 肉でしょう。良質のたんぱく質でしょう。92歳まで生きたピカソ、84歳まで現役だったイサム・ノグチ、岡本太郎。みんなビフテキを食べ、若い女性を愛して最後まで、精悍に生きた。赤身の肉には至福の幸福感の元のアミノ酸がいっぱい詰まっているのだ。肉を食べると「うつ」にもならないとは、浜松医科大学の高田明和名誉教授もおっしゃっている。高齢者の追跡調査でも確かめられた。 平均寿命が全国トップの沖縄県は、肉の摂取量が多い。1972年に元気な高齢者が多い東京都小金井市で800人余りを15年間追跡した調査では、20%の人がほとんど毎日肉を食べていた。高齢になるほど牛乳をよく飲んでいた。魚、肉卵などの動物性食品も積極的にとっている。@高学歴、A運動習慣がある、B自分の歯が多く残っている、C朝食をとる習慣があるなどが生活上の共通点だった。「元気で長生き」のカギは肉の存在だ。 では、どのように料理するの? 料理法によって、栄養は減る。レモンだって、煮てしまえばビタミンCの効果はない。救世主があらわれた。真空調理法だ。栄養を逃がさず、おいしく料理できる魔法の食べ方だ。詳しくは本文をご覧ください。ウーンと唸ってしまうでしょう。「ホテルの味をご家庭で」は、レトルト食品だけに任せることはないのだ。真空調理でローストビーフを食べよう! 病院の栄養士は、投与した食事のカロリー計算をしているが、料理した後に残っているカロリーや栄養素を計算して、さらに摂食したもののカロリーを計算しなくては、本当に栄養をとったかどうか、わかりませんね。 いつから食べればよいの? 欧米では虫垂炎手術の6時間後から普通食。フランスでは、乳がん術後の最初の食事は赤ワインつきのフルコース。大腸がんの術後も最初の固形食は、一番消化のよい赤身のヒレ肉から始まる。 病院では、中心静脈栄養というのがはやりだして、注射で栄養を取っているからと食べさせてもらえない。違う。口から食べてこそ、人は幸せで、腸は体のために消化液を出して、ホルモンもしっかり作って元気になる。Nutrition Support Team(NST)というチーム医療がはやりだしてきた。医師、栄養士、看護師、調理師などがチームとなって、おいしいものをおいしく食べて元気になるための病院をあげての試みだ。 米国では、もはや病院食はない。168種類のメニューを持って回ってきてくれる。今回は『生きよう! 栄養だ』と題して、生きるための栄養を中心に特集を組んだ。食べなくては生きられない。 |
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